第26回 熊本県理学療法士学会開催のご挨拶
第26回熊本県理学療法士学会
学会長 土佐太志
昨年、九州理学療法士学術大会が熊本県で開催されたため、2年ぶりとなる今学会を天草にて開催することとなりました。ここ数年本学会はCOVID-19の蔓延にてWEBでの開催を余儀なくされてきましたが5類移行となり、漸く対面形式での学会開催が可能となりました。未だWEBでの研修会、学会しか経験のない若い世代の会員方にLiveでしか体感できない『生の声、現場の熱』を経験していただけたらと思っています。
さて今回、学会のテーマを『拓く(ひらく)〜未来への種まき〜』としました。それは、現在そして未来に向け我々理学療法士が直面する課題に関し、道を切り拓きそして後世に繋いでいくことを意味しています。演題発表に加えそのテーマに沿った形で、今回3つの企画を用意しました。1つ目は以前より懸案となっている2025年問題にいよいよ突入、さらにそれらのジュニア世代にシフトする2040年問題が控えます。すでに熊本県内では一部の都市部を除く殆どの地域の理学療法士の方はそれらの問題に直面しているのではないでしょうか。天草ブロックは約10年前より天草市高齢者支援課と密接な関係性を築き地域の高齢者福祉に携わってきました。今回、天草市高齢者支援課 課長 塚田みどり氏にこれまでの取り組み、これからの理学療法士に期待することなど行政の立場からご提案を頂きます。2つ目は介護保険下での理学療法士の係わりはややもすると多職種との境を見失う可能性もあります。一つ目の特別講演に応える形で医療を終えた高齢者に関し福祉分野に携わる理学療法士に向け、その専門性を生かした係わり方を山口亮聖氏に提言頂きます。3つ目は教育です。令和2年に理学療法士養成の指定規則が改定され、学校教育、臨床実習のあり方が大きく変化し、カリキュラム改定後、初めての学生が今年卒業しました。我々臨床実習に係わる人間はそれらの変化を見つめ直し、より良い教育について考え、対応する必要があるのではないでしょうか。そこで今回、養成校の立場から池田耕治氏、臨床実習施設の立場から長福武志氏をお招きし臨床実習についてのシンポジュームを開催いたします。教育カリキュラムが改定された理由、生涯学習システムの説明、臨床教育の現場の実際などを提示していただき、来場された会員の方々も交え多くのご意見を聞き、発信することで、未来の理学療法士の教育に活かせればと考えます。
最後になりますが、「天草は遠いからどうしようかな?」と参加を躊躇される方もいらっしゃると思います。最初にも述べましたが、『対面でしか感じることが出来ない何か』があると思います。それに加え天草には多くの新鮮で美味しい食べ物や各地に温泉などもございますので、ご家族やお仲間と旅行を兼ねてご参加されてはいかがでしょうか。多くの演題登録、ご参加をよろしくお願いします。天草ブロック会員全員でしっかり準備し、お待ち申し上げます。